2019.07.25 / リフォームお役立ち情報

お客様の中には諸事情によって、思い入れのある家を手放さなければならないことがあります。

先日完成したリフォーム工事のお施主様は、手放したご実家(取り壊した家)の古い建材をご自宅のリフォームのどこかに使いたいというご希望でした。打合せを重ね、家具や建具に再生させることを決め、それが思った通りの出来栄えだったことに大変喜んでいただきました。

その中のひとつが、無垢の床板や腰板を利用して作った家具です。

着色はせず、ケヤキの本来の色を活かしクリア塗装で仕上げました。色の濃淡がそのまま表れ、本物の存在感があります。

見える部分は年代物の素材ですが、使い勝手をよくするために、引き出しは奥まで全開できる三段引スライドレールを使用。見えない部分には近代的な金物を使いました。

“和”の雰囲気や“古い”部分もお好きな方でしたので、ガラスも取手もレトロ調なものをご提案しました。

壁と壁の間にぴったり納まるように作っていますが、後から移動できるように“置き家具”になっています。これはお客様のご要望で、いつかまた家を移る事があっても対応できるように固定はしていません。また、二人のお子様にそれぞれ使ってもらう時が来るかもしれないとのことで、2分割に作ってあります。

生前のご両親やそのご家族が昭和初期から大切に使い続けてきた家の材料を、今新たに蘇えらせることができました。これはお客様の強い想いと、要望に応えてくれる職人さんたちがいなければできなかったことです。貴重なご依頼をいただき、大変勉強になりました。

何に使えるか分からないけど、次に使えたらいいな・・残せたらいいな・・とお考えの方は一度ご相談下さい。お役に立てるかもしれません。