2019.12.21 / 暮らしお役立ち情報

横浜では今年はまだあまり本格的な寒さが感じられませんが、お正月あたりから例年並みに寒くなるとも言われています。

この季節、「ヒートショック」という言葉をよく耳にしますね。ここ5、6年前からでしょうか、メディアでも紹介されていますので多くの方がご存じだと思いますが、お風呂に入るときなど暖かい場所から急に寒い場所へ移動したときの急激な温度の変化による血圧の乱高下や脈拍の変動のことを言います。

私たちは仕事柄、もう何十年も前からこのことは知っていますので、浴室のリフォームをご依頼いただく際は必ず打ち合わせ段階でヒートショック対策(浴室暖房等)のご提案をしています。

それでも、以前は「いらない いらない、今までも使っていなかったし」と言われることもあったのですが、有名人がそれが原因で亡くなったことをニュースで伝えられた頃から健康番組でも医師が「ヒートショックには気を付けて」と言ってくれることが多くなり、一般の方にも周知されていったように感じます。

皆さんヒートショックは覚えて下さったのですが、それでも「大丈夫、お風呂に入ったらすぐに肩からあったかいお湯をザバーっとかけてすぐに温まるから」とおっしゃる方がまだいるんです。

違うんですよ、、、ご本人が「寒い」とか「暖かい」とかいう“感じ方”とは全然別のものなのです。特にお年寄りは温度を感じにくくなっていると言いますから、なおさら気を付けて下さい。お風呂の中だけでなく、脱衣所も暖かくすることも大切です。リフォーム工事で脱衣所専用の暖房を壁に取り付けることもできますが、ある程度費用も掛かりますので小さなヒーターを使うだけでも十分です。

●服を脱ぐ前に脱衣所内を温めておいて下さい。

●浴室内に暖房設備が無い場合は入る前にシャワーを床にジャージャーと流して下さい。これは服を脱ぐ間の30秒だけでも大いに役立ちます。

これでばっちりではありません。お風呂から出るとき、これも忘れないで下さい。

●脱衣所の暖房は浴室に入っているときも電気代は気にせずつけっぱなしが理想です。でもどうしても電気代が気になりかえって心臓に悪いと言う方は、入浴中は切ったとしても浴室から出る前に最小限に浴室ドアを開け、一瞬で暖房を付けて下さい。そしてすぐにバスタオルを取って(すぐに手が届くところにおくこと)浴室内に持ち込みドアを閉め体を拭きます。そうしている間に脱衣所が暖まりますからドアを開けて出ても大丈夫です。

体が濡れている状態で暖房のない脱衣所に出るのは最悪です。また、暖房している脱衣所でも濡れた体で出てくるのと、乾いた体で出てくるのでは全然違います。

それから、ヒートショックというとお風呂に入るときだけを重視しがちですが、トイレでも同じです。毎年、トイレでヒートショックを起こして亡くなる方も多くいらっしゃいます。トイレにも本当は暖房設備があるとよいのです。これは建築・リフォーム業界ももっと力を入れていかないといけないと思います。トイレの便座にはヒーターがありますし、人が近づいたら瞬間暖房がつく、という高額商品もありますが、トイレに入ってから瞬間でどこまで対応できるのか?とも思います。脱衣所と同じ考え方でコンパクトで温風の出るセラミックヒーターなどを置いている方もいらっしゃいますが、これも入ってからつけるよりはオイルヒーターやパネルヒーターを一つけっぱなしにしておくほうが良いと思います。

ただ、トイレ内の(脱衣所でも同じです)コンセントや電気の容量の問題もあり、危険が伴う場合や容量オーバーでブレーカーが落ちてしまう場合がありますから後付けの場合は気を付けなければなりません。

いずれにしても、何も対策をしていない方は、ぜひ今年から始めて下さい。まずはお風呂に入るときから!です。