
親の実家が長崎にあり、
今は親族がだれも住んでいない物件を今後どうするか
敷地内の2棟の家のうち1棟は数十年前から同じ人に貸しており、
もう1棟は空き家になっているとのこと。
敷地の形状から土地を分割(家を分ける)することは不可能。
遠方にある実家の処分を考える。これも相続対策になります。
このケースの場合、お客様ご本人やご兄弟、そして今もお元気なご両親は関東にお住まいのため頻繁に家の様子を見に行くことはできていませんでした。
毎月およそ5万円に満たない家賃で大きな収益ではありませんでした。もともと投資用に建てた家ではないことや、遠く離れた不動産ということであまりそこでの利益を注視しておらず途中で家賃の値上げをするタイミングを逃していました。
ですが、管理会社を入れていなかったため、入居者からはたびたび不具合等の連絡があり対応にストレスを感じていました。
もう一方の空き家の物件は、数年前まで親族が住んでいたこともあり、家財道具はそのまま残っている状態でこれから人に貸すには荷物の片づけや修繕工事が必要でした。
やがてくる親の相続時には、相続人が複数いることから遺産分割の為に売却になることは予想されていました。
メリットデメリットを考える

今後も2棟とも賃貸を続けるか、または売却し現金化するかを決めていくには、2棟とも今後も賃貸を続けた場合のメリットとデメリット、売却した場合のメリットとデメリットを考えて検討します。
今後も2棟ともに賃貸を続ける場合
メリット
- 賃借人がいる限りは定期的に家賃収入が入る
- 物件への思い入れがあり金銭面では割り切れない気持ちの上での満足感・幸福感がある
デメリット
- 賃借人がいつ退去するかわからない(家賃ストップ)
- 空室対策
- 建物や内装・設備に関する管理と修繕に対応する必要がある
- 固定資産税を支払う義務がある
- 管理の為現地へ行く場合に旅費がかかる(生活拠点とかなり離れているため)
- 家賃滞納など入居者とのトラブル対処
売却する場合
メリット
- まとまった収入が得られる
- 固定資産税・修繕費・旅費などの不動産資産を持つことの経費が不要になる
- 将来の相続でトラブルになる懸念が減る
デメリット(※敢えてデメリットとすると)
- 売却時に登記費用・仲介手数料等の諸経費が掛かる
※住宅ローンが無いため売却益から賄える - 不動産譲渡税が掛かる(場合がある)
※住宅ローンが無いため売却益から賄える
上記のメリット・デメリットを考慮し、売却することを決定

こちらのケースでは、賃貸を続ける場合と売却する場合のメリットとデメリットを考慮し、売却することになりました。
その後、売る上での課題を取り除いていく必要があります。
まず、1棟に入居者がいる場合、その状態で売るのは2棟ともに空き家の場合に比べて、売却価格への影響もさることながら、売りにくくなってしまいます。
また、家賃収入が5万円に満たないなど、オーナーチェンジ物件としては購入者があまりメリットを感じません。
そこで入居者に退去依頼をいたしました。
今回の場合は、長い間賃貸借契約を継続してきた入居者であったため、あまり事務的にではなくこちら(大家であるお客様側)の事情を丁寧に説明し、納得していただいた上で退去してもらうことに重点をおきます。
お客様に手紙を書いてもらい(内容は弊社でご提案)、その後弊社が入居者に退去の条件等を説明しご理解をいただいたため、次に生活をするための賃貸物件をご紹介し円満に退去してもらうに至りました。
その後、地元の不動産会社と連携し、希望通りの金額で売却することが出来ました。
これまで、けっして大きくない家賃収入でも入居者に真摯に対応してこられたことが、最後はお互いにわだかまりもなく不動産売却につなげることが出来たと思います。
遠い地域に持っている不動産をどうするかを考え行動することは、終活でもあり親の相続が発生してからでは、
ゆとりをもって売却が出来ないことも多いため結果的に将来の相続対策となりました。
弊社では、さまざまなケースにおいてメリットとデメリットをよく考えた上、お客様に最善の方法をわかりやすくご提案することに重点を置いています。
相続対策でお悩みの際には、ぜひご相談ください。