2023.04.18 /

所有者不明・・・ これは、不動産登記簿をみても誰が持ち主なのか分からない不動産のことです。被相続人が亡くなって相続が発生しても、相続人が名義変更手続きをせず、長期にわたって放置することで発生します。

色々な事情はあるかと思いますが、面倒くさい、相続人が多い、相続人間の関係性が希薄、もしくは悪い・・・などが理由に挙げられるかと思います。

そして1番の決定的な理由、その不動産の価値が低く(またはゼロに近い)、換金できない可能性が高いため、変更手続きに係る費用(登記費用、登録免許税)などの負担がバカバカしいと感じてしまい、そのまま放置・・・なんてことも多いと聞きます。

しかし、もうどんな言い訳も原則通用しなくなります。

2024年(令和6年)4月1日、改正不動産登記法の施行により、不動産の相続登記義務化、そして登記をしなければ10万円以下の過料になる場合があります。

これにより、10年の期限内に相続人同士で折り合う必要があります。ただ期限内に家庭裁判所に調停・審判の申し立てをすれば、10年経過後も法定相続分以外の分割は可能と若干の逃げ道はまだ残されます。

そして、上記の所有者不明になる不動産の1番の理由である、相続する土地が売ったり貸したりすることが難しかったり、相続人の誰も引き継ぐ意思がなかったりする場合ですが、相続土地国庫帰属制度の利用が選択肢にあります。要は、国に一定の条件が満たされれば引き取ってもらうという制度です。

しかし、やはり無条件ではありません。

どんな条件かと言いますと、建物があったらダメ、隣地との境界が不明瞭だったらダメ、場合によっては庭木、樹木があったらダメ・・・と何かと条件があります。そして法務局に申請し、実地調査を経て承認か不承認が決まります。

このように、相続が発生した場合、確実に何らかの手続きが必要です。

そうなる前に、メンドクサイですが事前準備、必要です。