2022.08.06 / 不動産お役立ち知識

家探しをするときに、マンションであれば間取り図と部屋の広さ「専有面積」をチェックすると思いますが、お客様をご案内する際に必ずと言ってよいほど話題になることのひとつに「部屋の広さの感じ方」です。

販売図面に書いてある広さ(平米数、畳数)と実物を見た時の感じ方が違う、ギャップがある、ということです。

マンションの場合、販売図面はたいていは壁芯で〇〇㎡となっており、壁の厚みや鉄筋コンクリート造の太い柱の出っ張りなど目に見えない部分も含んだ数字が表示されているため、謳っている広さよりも狭く感じることもあります。

平面上ではわかりにくい上部の梁の出っ張りも、柱とセットでいっそう押し寄せてくるように見える時もあります。ちなみに写真のマンションの柱や梁は、いたって普通の出っ張り具合です。

反対に平米数はそれほど広くなくとも、うまく間取りがプランされているマンションの場合は現地に行くと「思ったより広い」と感じることもあります。室内の廊下にあまり面積を取らなくても各室に出入りできるような間取りの場合はその分部屋を広く取れたり、柱の出っ張りがほぼ無いような場合はちょっと得した気分になるかもしれません。

これは設計した人の感性や実力だけでどうにかなるものではなく(間取りの工夫はどうにかなりますが)、まずは建物を頑丈に強固に作るという構造計算に基づき、それに加えマンション敷地の形、販売戸数の制限や予算にかかわる中でプランをするわけですから仕方がないところもあるでしょう。最近のマンションでは柱を室内から外に出してお部屋を広くすっきりと見せるアウトフレーム工法というものもあります。

このようなことからマンション探しをする時には平米数だけにとらわれず、プロの意見も参考にしつつ、なにより現地確認は大切ですね。

また、専有面積にはバルコニーや玄関のポーチなどは入っていません。「え?この物件買っても自分のものにならないの?」と驚くかもしれませんが、これらは「共用部」になります。ただし、マンション内で誰もが通る共用廊下などとは違い、原則としてその場所に接している専有部分の居住者のみ使用できる「専用使用権のついた共用部分」とされています。ですから専有面積に含まれておらず、別途面積が表示されているはずです。自分のものにはなりませんが「自分のもののようには使える」ということになります。